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ブロックチェーンを一言で表すと、
「データの改ざんができない分散型台帳」
たったこれだけです。
文字通り台帳が散らばっているということです。
台帳とはデータを記録するための「データベース」を指しておりデータベースが複数存在 している事を意味しています。
今までの技術だと基本的にデータベースは1ヶ所に置かれており、それに対して管理者が存在するという図式です。
例えば、花子が太郎に10,000円支払ったという取引データはAが管理するデータベースへ記録されます。
この取引データを記録するために複数のデータベースが存在するのが分散型台帳。
仮に5つのデータベースが存在するとします。
花子から太郎への取引データが、A、B、C、D、Eと それぞれが管理しているデータベースに記録されます。
ここで1つの疑問・・・
複数のデータベースに記録するだけなら今までの技術でもできるのでは?
たしかにこれまでのデータベース技術でも可能ですが、 データの正当性を証明する事が難しいという弱点がありました。
花子から太郎への取引データをAとBが改ざんしたとします。
そしてAとBは主張します。
「C、D、Eの記録は改ざんされている!」と・・・ こうなってしまうと、少数派の意見であろうが、それは違うと証明する事が 難しくなってしまうのです。
ここで登場するのがブロックチェーン技術・・・
花子から太郎への取引データを5つのデータベースへ記録した時にまずこの5人で話し合います。
「このデータは正しいデータなのか?」と・・・ そして、5人中3人が正しいと認めた場合、そのデータは正のデータとして扱われ暗号化されたブロックの中に格納されます。
これを「承認」と言って承認する間隔は10分間に1回行われます。
「え?多数決?・・・」と思いますよね。
これがブロックチェーンの基本的な考え方「多数決の原理」。
ここでは5つのデータベースで考えましたが、実際は世界中にデータベースが 散らばっており、半数以上の人は良心的な人だという前提で組まれている仕組みになります。
世の中の半数以上が悪人であるわけではない、それは世紀末で有名なあの漫画の世界と同じですからね。
理論上はこうなのですが、まだまだ成熟しきっていない市場なので様々なトラブルが発生します。
マイナー通貨などは半数以上を保有するのがたやすいため、 多数決の原理を逆手にとって攻撃をする悪意のある者が現れます。
これを 51%アタックと言って、XVG(バージコイン)などはこの攻撃を受けたことがあります。
誰が承認するのか・・・?
「マイナー」と呼ばれる人達の代表者が承認して、 承認者には報酬として「12.5BTC」が報酬として支払われます。
そんなに貰えるなら皆やりたいですよね。
そこで公平に承認者を決定するために、10分間に1度計算問題が出されます。
よーいドン!で一斉に計算式を解いて1番早く解いた者を承認者にしようと、こういう事です。
ブロックのデータから特定の条件を満たした「ハッシュ値」と呼ばれる値を計算するのですが、 この計算には近道はなくひたすらその条件を満たして値にたどり着くまで 何回も計算し続けます。
誰よりも早く問題を解きたいけどやたら時間がかかる。 そのため、ハイスペックコンピューターに負荷をかけてやります。
電気代がなんとかというのはこのせいです。
このように承認者になるために計算問題を解く作業を「マイニング」と言って、 マイニングを行う人達をマイナーと呼ぶのです。
ブロックチェーンの仕組みを知る上で押さえておきたい要素の1つである コンセンサスアルゴリズムについて見てみましょう。 コンセンサスは「合意」、アルゴリズムは「方法」という意味でこのアルゴリズムの種類によって 通貨の分類をする事ができます。
管理者のいない分散型台帳は 取引データを皆で監視し合おうという多数決の仕組みを取り入れたものでしたよね。
これは、「PoW(Proof of Work)」と呼ばれるアルゴリズムで、 BTC(ビットコイン)はこのアルゴリズムに属します。
マイナー達が計算スピードを競い合い一番早く答えを導きだした者が承認する仕組みです。
BTC(ビットコイン)、ZEC(ジーキャッシュ)など
・データが改ざんが極めて困難です。
・膨大な計算を短時間で行うためにコンピュータに負荷をかけるため電気代がかかる。
通貨の保有量が多いものが承認する仕組み。株の保有量が多い人は決定権を持っているのと 同じイメージです。
DASH(ダッシュ)、NEO(ネオ)など
PoWのように膨大な計算を行うのではなく、保有量という数字のみで承認者を決定するため 電気代がかからず保有量で承認者が既に決まっているので承認スピードが早い。
承認者であるためには一定以上の保有量が必要になるため、一ヶ所に集中してしまい 流通しにくい状態になりやすい。
市場に対する貢献度の高い人が承認者になれる仕組みです。 保有量と貢献度の2つ要素が考慮されます。 頻繁に取引すると通貨の流通に貢献していると判断されます。 PoWとPoSの欠点を補ったアルゴリズムだと言われています。
XEM(ネム)
通貨が流通しやすくPoSと同様に保有量と取引の貢献度で承認者が決まるため承認スピードが早い。
PoWよりも51%アタックが起こる可能性が低い。PoWは全体の51%以上のハッシュパワーを確保すれば 51%アタックを起こすことができますが、PoIの場合、全体の51%以上の 通貨を保有する必要があるため51%アタックが難しくなっています。
・PoS程ではないですが、特定の場所に通貨が集まってしまう可能性があります。 PoIはPoSで懸念されていた一極集中する可能性を緩和するために「貢献度」という 条件を組み込んでいます。
PoCは他のPoW、PoS、PoIと区別しなければいけない仕組みです。 PoCは中央集権型であり、その他は非中央集権型になります。 中央集権型とは銀行のように管理者が存在している事を意味します。
リップル社が決めた特定の承認者達が存在します。その承認者達の80%以上が正当な取引だと 判断したら承認される仕組みとなっています。 この承認者は「バリデーター」と呼ばれます。
XRP(リップル)
承認者が決まっているので承認スピードが極めて早いのが特徴です。PoWを採用しているBTCが10分かかるのに 大してXRPの承認時間はわずか4秒です。
決まった承認者達で正当か同化が決定されるため不透明な部分が多く、 データの改ざんなどが行われる可能性があります。