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目 次 |
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1.スケーラビリティ問題 |
2.イーサリアムへの投資 |
3.Dapps(分散型アプリケーション)の増加 |
4.ERCトークンの存在 |
5.ライデンネットワーク |
こんにちは。 最近、ETH(イーサリアム)という通貨を送金する際に送金完了までやたら時間がかかるな~とネットワークの不安定さを 度々感じていたのですが、懸念されていたあの問題が再び発生しているようなので少し解説したいと思います。
それは、「スケーラビリティ問題」。
※イーサリアムというプラットフォーム上で使用する通貨がEther(イーサ)であり、 「ETH」と表記されます。
スケーラビリティ問題とはブロックチェーン上で処理できるトランザクション数以上の トランザクションが発生することで処理が追いつかず送金の遅れなどに繋がってしまう現象のことを言います。 要するにキャパオーバーです。
1秒間に処理できる数が決まっているため、トランザクションが増えれば増えるほど 順番待ちの状態になってしまうのです。 このようにキャパオーバーで処理ができない状態を「送金詰まり」と言います。
このような状態に陥った場合の対処方法としては次の2点があります。
順番待ちの状態なので諦めて気長に待ちます。
通常の送金完了するまでの時間は、取引所やトランザクションの処理状況により多少変動はありますが だいたい10分、遅くとも30分ぐらいです。遅延が発生している場合、半日以上待たされたりしますが 多くの場合、待つことで処理は完了します。
地獄の沙汰も金次第、手数料を多めに払って前のほうに割り込ませてもらいます。
イーサリアムのブロックチェーンでは、スマートコントラクトの実行や送金を行う際に Gas(ガス)という手数料を支払わなければなりません。 動作させるための燃料ですね。
このガスは、承認作業をするマイナーと呼ばれる人たちへの報酬に使われます。 マイナー達は、手数料が高いトランザクションから優先して処理を行うため 手数料が高ければ高いほど承認までのスピードを上げることが可能になります。
送金詰まりが発生し続けると、手数料を多く払っても送金を早く完了させたいユーザー達が 増えてくるのでガス価格の高騰という現象も引き起こしてしまうためこれはこれで問題なんですけどね・・・
トランザクションが増えるということはインフラとして活気がでてきたということ、すなわち取引が増え始めている ことを意味してるので非常に喜ばしいことなのですがそれに環境が追いついていないんですよね。やはりネットワークの世界、
指数関数的な伸びを見せ始めている兆候かもしれません。
背景には次のようなことが要因として考えられます。
BTC(ビットコイン)に次ぐ時価総額2位のETHは今後、ワールドコンピュータになることが 想定されており、イーサリアムの将来性に期待する企業や投資家が増加傾向にあります。
イーサリアムへ投資するということは取引して購入しなければいけないので 当然トランザクションが増える要因になります。
ETHはただの決済通貨としての機能だけでなく、契約を自動化するスマートコントラクトなどの機能を利用して ソフトやアプリを作成することが可能です。 ブロックチェーンの開発者達によるDappsの開発が急速に進められてることが背景としてあります。
イーサリアムを利用したゲームは既に多くリリースされているのですが、その中でもいくつか紹介したいと思います。
イーサリアム上で動作するトレーディングカードゲームです。
ユニットを組んで領土拡大していく戦闘ゲームです。
スマートフォン向けのキャラクター育成ゲームです。
ベータ版を含めてこの他にも既に数え切れないほどのアプリがリリースされています。 これらのゲームは自分が手に入れたアイテムや育てたキャラクターをブロックチェーン上で 売買できるため、売買して手に入れたETHをさらに法廷通貨に交換する事で収益を上げる事が可能になっています。
ゲームの世界だけで生活する人も現れそうです。
まだ競合もそんなに多くないと思うので、もしかしたらチャンスかもしれません。
イーサリアムのブロックチェーン上でも違う通貨(トークン)を簡単に発行できたりと 仮想通貨を生み出す母体的な役割も備わっています。2017年はERCトークンを利用した 資金調達方法(ICO)がピークに達していたのですが、2019年になったいまでもERCトークンは世界各地で発行されています。
イーサリアム上で発行されたERCトークンは他の仮想通貨同様、企業が「うちの商品買ったら〇〇ポイントあげるよ」的な ポイント付与のようにも使うことができたり、〇〇PAYのような決済手段としても使う事ができます。
ICOに投資する場合、 運営側がイーサリアム上で発行したERCトークンと投資家が持っているETHを交換するという形になるので、 投資家がERCトークンを買うためにETHを市場で購入する、運営側は集まった ETHを売却することで開発費や人件費にあててプロジェクトを進めていくという図式が成り立つので これもトランザクションが増える要因になります。
※ICOは詐欺まがいの案件が多数あるため選別が非常に難しいです。
2018年は、2017年に行われた多くのICOの影響と仮想通貨市場の暴落により 強力な売り圧力が発生してETHの価格が押さえつけられるという状態に陥りました。
このようにいくつかの要因によって キャパオーバーに陥る可能性があるイーサリアムですが、これは昔から想定されており いくつか対応策も考えられています。
その一つが・・・
イーサリアムのスケーラビリティ問題を解決する方法の一つとしてRaiden Network(ライデンネットワーク) というものがあります。名前に「ネットワーク」とついているのでインターネットのようなインフラ的なものをイメージ しがちですが、ライデンネットワークは仮想通貨の名前です。
イーサリアムのブロックチェーン上のことをオンチェーンとすると、 そのオンチェーンの外側、オフチェーンで詰まらないように手助けしてくれる通貨です。
会社なんかでも一般社員がなんかあるたびに社長にハンコ貰いにいってたら 社長パンクしちゃいますよね。 「もういいから結果だけ教えろ!」と激怒りされそうです。 そうならないためにもそれを処理したり取りまとめる部長がいて、 部長から社長への報告がオンチェーンとするならば、 一般社員から部長へのやり取りはオフチェーンという感じですかね。
イーサリアム社長とライデンネットワーク部長だと思ってください。
他にもスケーラビリティ問題を解決するための新技術「Plasma (プラズマ)」 なんかもあります。
もしかしたらお気づきの方もいるかもしれませんが、 このスケーラビリティ問題、イーサリアムだけではないんですよね・・・ BTC(ビットコイン)でも同様のことが言えて、 当然のことながらビットコインにもライトニングネットワークというものがあるのですが それはまた別の機会でお話したいと思います。
閲覧ありがとうございました。