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TRIXの使い方をビットコインチャートで学ぶ

価格の騰落率を分析するテクニカル指標


ローソク足



TRIX」という騰落率を分析するテクニカル指標についてご紹介します。

「Triple Exponential Moving Average Oscillator」 の頭文字を取っており、ジャック・ヒューストンにより考案されました。 TRIXの特徴は下記の通りです。

TRIXで知る事が出来る情報は大きく次の3つですです。


■ 知り得る情報

1.価格の騰落率

※騰落率とは暴騰・暴落の事で一定期間どれぐらい価格の変動があったのかを示します。

2.オシレーターとしての過熱感

3.トレンド系としての方向感

オシレーター系とトレンド系の両方の性質を持っているという事です。

さて、次はこの騰落率がどのように算出されるのか計算式を見てみましょう。



■ 計算式

・EMA1=終値のn日指数平滑移動平均

・EMA2=EMA1のn日指数平滑移動平均

・EMA3=EMA2のn日指数平滑移動平均

・TRIX={(当日EMA3-前日EMA3)/前日EMA3}*100%

・シグナル線=TRIXのn日指数平滑移動平均


■ 基本的な使い方

・0%以下を推移した後、0%ラインを下から上に突き抜けたら買い。

・0%以上を推移した後、0%ラインを上から下に突き抜けたら売り。

・TRIXとシグナル線とのゴールデンクロス、デッドクロス。



■ 注意点

TRIXは指数平滑移動平均と呼ばれるものを利用しているため 反応が早い事が特徴の指標ですが、 早いと言ってもこのシグナルだけでエントリーすると実際の相場では損失を出す可能性の方が高いので注意が必要になります。 この指標でエントリーするというよりも、

・0%より上の数値で連続推移した後、0%ラインを上から下に突き抜けた場合は 上昇トレンドから下落トレンドに転換したかもしれないという確認。

・0%以下を推移していたTRIXが明確に上を向き、 かつ他の指標でもシグナルが出ているので買いエントリー。

・0%以上を推移していたTRIXが明確に下を向き、 かつ他の指標でもシグナルが出ているので売りエントリー。

TRIXを軸として使用せず複数指標と必ず併用して使用する。 エリオット波動理論やフィボナッチリトレースメント等で流れを読む際、 もう少し根拠が欲しいという時の参考程度に留める方が良いでしょう。 有効なテクニカル指標ではありますが、MACDなどに比べると 若干弱い印象があります。

→ビットコインのテクニカル分析 MACD

次は、実際にチャートを見ながらどのような点に注目すべきかをみてみましょう。 下記の画像をご覧ください。

これは、2018年の バイナンス のBTC/USDTの日足チャートです。

シグナル発生時のエントリーで、どのような効果があるのかを
見てみましょう。

TRIXとBTC 売りエントリー成功例

TRIXとBTC-売り成功


TRIXが0ラインを上から下に突き抜けたのを確認して、売りエントリーします。 この時、最大でこれぐらいの値幅を取る事ができるので成功したと言えます。

TRIXとBTC 売りエントリー失敗例

TRIXとBTC-売り失敗


TRIXが0ラインを下から上に突き抜けたのを見て、買いエントリーします。 この後、価格が落ち始めて損失を出す結果となります。

上に突き抜けたはずのTRIXですが、すぐさま方向転換してしまい逆に売らなければならない 状態になってしまいました。

TRIXとBTC 買いエントリー成功?例

TRIXとBTC-買い成功


TRIXが0ラインを下から上に突き抜けたのを見て、買いエントリーします。 この時、最大でこれぐらいの値幅を取る事ができていますが小さいですね。 これは成功したというか何とかプラスの方向に傾いてくれたという感じですよね。

このようにTRIXだけを見ていると、成功する時もあれば失敗する時もあります。 特に3つ目の「TRIXとBTC 買いエントリー成功?例」では上昇後ある程度時間が経過しており、 しかも「ダブルトップ」を形成しています。かなり危ない状況である事が伺えますし、 エリオット波動で考えても第5波の局面であるので、そう考えるとエントリーするのはちょっと躊躇しますよね。 このように他の指標や状況を考えた上で使用するべきテクニカル指標だと思いますので くれぐれも単独での使用は控えるようにして下さい。