...
目 次 |
---|
フィボナッチ数列とは? |
黄金比 |
フィボナッチ・リトレースメントでよく使うライン |
61.8の導出方法 |
38.2の導出方法 |
ビットコインチャート |
フィボナッチリトレースメントとは、自然界を司るフィボナッチ数列をもとに作られたテクニカル指標で、 反発ラインの予測に役立ちます。
まず、フィボナッチが何なのか簡単に説明したいと思います。
※テクニカル指標を使う場合、意味もわからず使うのはタブーです! 自ら計算する必要はありませんが、何を意味しているのかだけでも頭に入れておきましょう。
0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89・・・
・第一項:0
・第二項:1
・第三項以降:前の2つの値を加算した値
この数列は、自然界のあらゆる場面で登場します。
例えば花びらの数はフィボナッチ数列の各項の数字に当てはまる事が多く、ヒマワリの種の螺旋の数や台風や銀河の螺旋の比率など 地球だけではなく宇宙全体を司っている事から自然界はこの数字に支配されていると言っても過言ではありません。
そして、よく黄金比という言葉を耳にしますが、これはフィボナッチ数列より求められた比率なのです。
これは一体どのように導出されたものなのでしょうか?
1:1.618
(フィボナッチ数列)
0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89・・・
黄金比を導出するためにはまず先ほどのフィボナッチ数列の中から適当に6番目の数字を見てみましょう。
「5」という数字を前の数字である「3」で割ってみます。6番目、7番目・・・と同じように前の数字で割っていきます。
するとどうでしょう。
・5/3 = 1.666
・8/5 = 1.600
・13/8 = 1.625
・21/13 = 1.615
・34/21 = 1.619
・55/34 = 1.617
・89/55 = 1.618
徐々に1.618に近づきます。この値が黄金比なのです。
この黄金比、実は自然界だけではありません。
ピラミッドやレオナルド・ダ・ヴィンチのモナリザの描画のバランス、現代では名刺の縦横の比率に利用されたりなど 古代から現代まで変わる事のない人々が美しいと感じる基準の1つであると言えます。
写真の被写体を中央からズラして撮影するのもそうですね。
至るところに登場するフィボナッチ比率ですが、相場でも当然使えます。
チャートを眺めていると、このタイミングで価格が上昇したら綺麗だなとか 買いたいなという形は誰もが感じると思います。逆にここで買っても下がりそうだなと感じるのも同じです。
まさにDNAに組み込まれた黄金比の概念が働いている瞬間になります。
このような理由により、人々が美しくバランスが良いと感じるこの比率は、 相場の世界でも非常に有効だとされています。
多くの人が上がりそうと感じないと上昇しにくかったり、 逆の場合も売りが伸びにくくコストパフォーマンスが悪くなってしまい勝ちにくい状況となることが多いものです。
市場の意識がどちらへ向かいそうなのかを把握するためにフィボナッチ・リトレースメントで分析します。
・23.6%
・38.2%
・50.0% ※半値
・61.8%
・78.6%
これらの数字も黄金比と同様に導出する事ができます。試しに「61.8」と「38.2」を導いてみましょう。
先ほどは1つ左の数字で割り算をしましたが、今度は1つ右の数値で割り算をします。
(フィボナッチ数列)
0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89・・・
3/5 = 0.600
5/8 = 0.625
8/13 = 0.615
13/21 = 0.619
21/34 = 0.617
34/55 = 0.618
55/89 = 0.617
61.8%
次に、2つ右の数字で割り算をしてみます。
(フィボナッチ数列)
0、1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89・・・
2/5 = 0.400
3/8 = 0.375
5/13 = 0.384
8/21 = 0.380
13/34 = 0.382
21/55 = 0.381
34/89 = 0.382
38.2%
このように導く事ができます。
フィボナッチがある程度わかったところで実際の動場でどう使うのか見ていきましょう。
安値と高値を結んでフィボナッチ・リトレースメントを描画してみます。
高値から下落が始まって、まず38.2%でしばらくサポートされしばらく攻防が発生します。
買い側は上昇を試みますが、長い上ヒゲをつけた直後に包み足陰線が出現。
※このローソク足のセットは下落を示唆しています。
このポイントだけで考えると、売り方が強いと考えることができます。
案の定、50%ラインまで落とされてしまいますが、買い側も簡単には落とされたくないので、 大きな大陽線をつけて再び38.2%まで押し戻します。
今度は上ヒゲではなく実体で確定していますよね?
頑張って落としたはずなのに元に戻された。 売り側は少し躊躇してしまいます。
躊躇している、つまり売ってこないため、 とりあえず上昇しますが、売り側も買い側と同様に 簡単に上昇させたくないわけです。
タイミングを見計らい、上がったところを売り込んでなんとか61.8%まで落とします。
※61.8%は反発が強いラインです。
ここからが非常に重要です。
今度は先ほどよりも大きな大陽線が出現して、再び38.2%まで押し戻します。
売り側は必死で落とそうとしますが、何度落としても38.2%まで戻されてしまう。 しかもパワーが徐々に強くなっている。
心を折るには十分な理由ですよね。
決着です。
最終的に売り側は諦めて上昇していくことになります。
このように、38.2%、50%、61.8%と反発しやすいラインとして有効なのですが、 これだけでは勝てないのが相場の世界。
その反発ポイントでどのような攻防が展開されるかを読み解く必要があります。
結果的にこのチャートでは上昇していますが、 仮に最後の反発ポイント61.8%で大陽線が出現せずに レンジ相場になったら?
50%では反発したのに61.8%では止まったけど大きく反発しない。
つまり、買い側が弱くなっているという考え方になります。
反発具合を確認するのは非常に重要な要素です。
もし61.8%で買っている場合、思い切って建値(±0)で決済。そして、様子見する 戦略もありだと思います。
その後上昇したとしても損失が出るわけでないのでまた次の機会に備えれば良いだけですからね。
このようにフィボナッチ・リトレースメントをただの反発ポイントとして見るのではなく、 必ず他の要素も加味して分析しましょう。
今回はローソク足との組み合わせでしたが、 エリオット波動理論などを組み合わせても良いと思います。
このように、調整C波だと思われる波動がちょうど61.8%にぶつかっているといった見方です。
C波がまだ下に伸びる可能性もありますが、 完成しても不思議じゃないですよね?
「ちょうど61.8%で止まっているし買ってみよう」と考えるわけです。
といった感じで、売買する理由は人によって様々なので 自分の考え方に合った手法を見つけることが大事だと思います。