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テクニカル分析指標アルティメット・オシレーター(UO)をビットコインチャートで学ぶ

買い圧力の把握に有効


チャート


目 次
1.アルティメット・オシレーター(UO)
2.知り得る情報
3.UOの計算式
4.基本的な使い方
5.注意すべき点
6.張り付く理由
7.ダイバージェンスによるトレンド転換察知

■ 1.アルティメット・オシレーター(UO)

買い圧力を分析するためのテクニカル指標である 「アルティメット・オシレーター」について解説します。

英語表記では「Ultimate Oscillator」と書きます。

先に言っておきます。アルティメット・オシレーターは、中・長期で用いるテクニカル指標ですが、 マスターすると非常に有効なので必ず覚えておきましょう。

※以降、アルティメット・オシレーターはUOと表記します。

買いエントリーする場合、買い圧力が弱い状態でポジションを持ったとしても売りに押されて損失が出てしまい、 売りエントリーする場合、買い圧力が強い状態でポジションを持ったとしても買いに押されてやはり損失が出てしまします。 このようにポジションを持つ際に買い圧力の強弱を知る事は非常に重要な要素になるのです。

UOで知る事が出来る情報は大きく次の2つに分類できます。


■ 2.知り得る情報


1.買い圧力


2.トレンド転換の察知


買い圧力」を知る事でどちらにエントリーするべきかを予測し、さらに 買い圧力を知ることはトレンド転換のタイミングを察知することへ繋がります。

これらの情報はどのように算出されているのでしょうか。



■ 3.UOの計算式


・TR(トゥルーレンジ)

前日終値、当日安値、当日高値の3要素の中で最大の値幅となる組み合わせ。


・TL(トゥルーロー)

前日終値、当日安値の価格の低い方。


・BP(バイイングプレッシャー)

BP=当日終値-TL


・SR(ショートレンジ)

SR=(7日間のBP合計)÷(7日間TR合計)

※7日間の値幅の合計の中で、どれぐらいの買いがあったのかを示します。


・MR(ミドルレンジ)

MR=(14日間のBP合計)÷(14日間TR合計)

※14日間の値幅の合計の中で、どれぐらいの買いがあったのかを示します。


・LR(ロングレンジ)

LR=(28日間のBP合計)÷(28日間TR合計)

※28日間の値幅の合計の中で、どれぐらいの買いがあったのかを示します。


・UO

UO={(4SR+2MR+1LR)÷(4+2+1)}×100

※SR、MR、LRに対して加重平均を用います。



■ 4.基本的な使い方


1.UOが30%以下の場合、売られすぎの状態なので買いエントリー


2.UOが70%以上の場合、買われすぎの状態なので売りエントリー


次に、使用する上での注意点をあげておきます。


■ 5.注意すべき点


1.中・長期のみ有効である

短期売買でも効かないことはないですが、あくまで「圧力」を測るものなので、 誰がどれぐらい買ったのかというよりかもどれぐらい買いが積み重なっているのかというイメージを持って下さい。


2.強いトレンドが発生している時は機能しない

これは、値の範囲が0~100までしかないため、 上昇トレンド発生中では70以上に張り付いて推移したり、下落トレンド中であれば30以下に張り付いて推移するという理由です。

この張り付く現象はオシレーター系全般に言えることですが、いったいなぜこのような現象が起きるのでしょうか。


■ 6.張り付く理由

ビットコインとアルティメットオシレーター

極論になりますが、ある一定期間全く下落がなく一定の割合で買われ続けられたとするとチャートの形状はどうなるでしょう。 右斜め上に一直線に描画されますよね。この状態は買い圧力100の状態なので、この状態が続けば100に張り付き続けます。下落の時も同様の考え方です。

※張り付いている時はトレンド発生中という分析ができます。

※同じオシレーター系指標である「RSI」も同様の注意が必要です。

→ビットコインのテクニカル分析 RSI

ここまでで、UOがどのような考え方をするのかおわかり頂けたでしょうか。 次は、実践の場面でどのような使い方をするのか見てみましょう。


■ 7.ダイバージェンスによるトレンド転換察知

UOのダイバージェンスは非常に強力な転換シグナルとなりえます。 冒頭で買い圧力を知る事ができるというのはトレンド転換察知に繋がるとお話しましたが、 このトレンド転換を察知するというのが最も有効な使い方であると言えます。 中・長期のテクニカル指標なので、出現頻度は少ないですが出現した時の効果は絶大で 高確率で価格が大きく動く前にトレンド転換察知をする事ができます。

※ダイバージェンスとは価格が推移している方向とテクニカル指標が逆方向に動く現象です。

次は、実際にチャートを見ながらどのような点に注目すべきかをみてみましょう。下記の画像をご覧ください。

ビットコインとアルティメットオシレーター

これは、2018年のバイナンスのBTC/USDTの日足チャートです。

ここでは、先ほど説明したダイバージェンスについて記載しておこうと思います。赤丸で囲ってある4つのポイントをご覧ください。

※UOが70%付近である事も注目して下さい。

それぞれを拡大したのが次の画像です。それぞれ価格が切り上がっているにも関わらずUOは値を切り下げており、ダイバージェンスが発生している状況です。


ダイバージェンス発生例1

ビットコインとアルティメットオシレーター

終値ベースで価格と逆行しているのがわかります。チャート形状もダブルトップになっているのでUOを見なくてもこれから下りそうだなと 予測する事ができます。


ダイバージェンス発生例2

ビットコインとアルティメットオシレーター

高値の切り上げ角度も緩くなっており、かつUOもしっかり逆行しています。


ダイバージェンス発生例3

ビットコインとアルティメットオシレーター

チャート的にはグイグイ価格を伸ばしているように見えますが、UOは逆行しておりいつ下落へ転じてもおかしくない状況になっています。


ダイバージェンス発生例4

ビットコインとアルティメットオシレーター

価格が安定的に伸びているように見えますが、結果的には大陰線が出現して大きな下落へ転じています。 微妙ではありますが大陰線前にUOは平行に近い状態となっており、この状態を見る限り既に買い圧力が弱まっているという分析ができます。 このような情報により下落へ巻き込まれるリスクを減らす事も出来るわけです。

これらのダイバージェンス発生時に売りエントリーした場合ですが、 各画像を見ても上昇トレンドの天井付近で売りを仕掛ける事ができるのがわかると思います。 トレードする上で大変優位なポジションを持つことができるのが見て取れます。

しかし、このダイバージェンスという現象は、上昇トレンドの場合押し目でも 発生する事がありますので、トレンドラインを引いたりエリオット波動理論などを併用し、 押し目なのかそうでないかの区別をする事でダマしのエントリー確率を下げる事が必要です。

※下落トレンド時のリバウンドも同様の考え方です。

オシレーター系の指標なので単独使用はできませんが、 他のトレンド系の指標と組み合わせる事で、非常に高い有効性を示します。 ダイバージェンスの発生だけでも注目する価値のある指標ですのでぜひ使ってみて下さい。