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CMOの使い方をビットコインチャートで学ぶ

RSIの欠点を補うテクニカル指標


上昇と下落

目 次
CMOとは?
CMOの計算式
RSIの計算式
RSIの欠点を補った部分
CMOの使い方(ビットコインチャート)
ダイバージェンス

「RSI」の上位版と言っても過言ではないテクニカル指標、CMOについてご紹介します。


■ CMOとは?

CMOは、主に相場の過熱感を分析するテクニカル指標で、 正式名称は、 Chand'S Mommentum Oscillator(シャンデモメンタム)と言います。

つまり、買われすぎなのか、それとも売られすぎなのかを判断するためのものです。

過熱感がわかると何が良いのでしょうか?

このチャートをご覧ください。

ビットコインチャート

例えばこのチャートを見て、この後の価格はどうなると思いますか?

もしかしたらこの後まだまだ上昇するかもしれませんし、 大暴落するかもしれません。

上がりそうであれば買いたいですし、下がりそうなら売りたいですよね。

パッとこのチャートを見ただけだと、上がりすぎだからこの後下がりそうだなと思う人もいるでしょう。

しかし、日々チャートを眺めてどこで買おうか考えている人の場合、 グイグイ上昇する過程を脳に刷り込まれているため、逆に買いたいと思う傾向があります。


それはなぜか?


「買いたいと思っているのに安くならない」

「このまま上昇し続けるのでは?」

「今を逃すともうこの価格で買うことができないんじゃないか?」


と考えてしまうからです。

そして、つい飛びつきで買ってしまい・・・

ビットコインチャート

天井掴みをしてしまうのです。

天井掴みなんてするわけがないと誰もが考えていますが、垂直に近い形で上がっていることから、 それだけ多くの人が買いに走ったということです。

過熱感というものは感覚を鈍らせてしまうのです。

不安や焦りを生み出すんですね。

そして、垂直に上がった後に下落してます。

これは価格が上がってくるのを上で待ち構えている人達がいるということです。

過熱感が出ている時(市場全体が冷静な判断ができなくなっている時)、冷静な人達にとっては この上ない稼ぎ時だということを覚えておいてください。

相場の過熱感の強弱がわかると、天井付近で買ってしまったり、 大底付近で売ってしまうという絶対にやってはいけない売買を極力防ぐことができます。

深追いしてはいけないラインがある程度わかるということです。


それではまず、計算式から見ていきましょう。





■ CMOの計算式

CMO

・A  : n日間の上昇幅の合計

・B  : n日間の下落幅の合計

※範囲 : -100%~100%


パッと見ただけではなかなかピンときませんね・・・

そこで、RSIの上位版というぐらいなのでまずはそちらの計算式を振り返ってみましょう。


■ RSIの計算式

RSI

・A  : n日間の上昇幅の合計

・B  : n日間の下落幅の合計

※範囲 : 0~100%

→ビットコインのテクニカル分析 RSI

分子の形が少し違うだけで他は同じに見えます。RSIの計算式が何を意味しているかを考えると、 CMOの計算式の意味もわかります。

RSIでは、一定期間の上昇幅と下落幅の合計の中で上昇幅がどれぐらいの割合を占めているのかを示しています。

(1)上昇幅が90、下落幅が10の場合

RSI

上昇幅の割合が大きいという事は、その期間内で買いたいという人が多いという事を示しており、 それが継続すると上昇トレンドが発生します。


(2)上昇幅が10、下落幅が90の場合

RSI

上昇幅の割合が小さいという事は、買いたい人が少ないという事になります。

つまり、RSIの値が下がっている時は、価格が上がり難い状況のため買っても損する可能性があるということです。

逆に上がり始めたら買う人が増えていることになるため、その後、価格は上昇する可能性があります。

このようにRSIでは、上昇幅の割合の大きさから相場の過熱感やトレンドの方向を知る事ができます。

しかし、これでは少し欠点があるのがおわかりでしょうか?

上昇の強さはわかったけど、下落の強さはわからないという疑問が出てきますね。



■ RSIの欠点を補った部分

CMO

もう一度、先ほどの計算式を見ながら(1)と(2)をそれぞれCMOへあてはめてみます。


(1) 上昇幅が90、下落幅が10の場合

CMO

「A-B」は、上昇幅と下落幅を比較しています。

上昇幅が大きければ値はプラスになり、下落幅が大きければ値はマイナスになります。

この場合、プラスの値なので上昇幅の方が強いことがわかります。


(2) 上昇幅が10、下落幅が90の場合

CMO

マイナスの値のため下落幅の方が強いため、買っても損をする可能性があることがわかります。


どうでしょうか。

RSIでは表に出ていなかった情報が浮き彫りになりましたね。

トレンドの方向性に加え、トレンドの強弱もわかるようになりました。

0%を均衡ラインとして、100%に近づくほど上昇する力が強く、-100%に近づくほど、下落する力が強いと言えます。

RSIでは、上昇力が弱い時は下落力が強いのだろうというざっくりした情報だけでしたが、CMOでは明確に数値化されるわけです。

サイトによっては、

CMO

という表記をしている事もありますが、これは範囲を-100%~100%ではなく、 0~100%に変換しているだけです。

※50%を均衡ラインとして見てあげれば考え方は同じです。



■ CMOの使い方(ビットコインチャート)

CMO

冒頭で見せたチャートに描画してみます。

一般的に上昇トレンド中は80以上が買われすぎラインで、下落トレンド中は-80が売られすぎラインだと 覚えておいてください。

垂直に上がった時のCMOは80付近にいますよね?

この時点でここから先は危険ゾーンだと意識しなければいけません。

ただし、注意しなければいけないことがあります。

結果的にこのポイントが天井になりましたが、 天井にならずに上昇していた可能性もあるということです。

トレンド発生中は、80、-80付近に張り付いた状態で推移することがあります。

パワーを保ったまま上昇、または下落が続くということです。

単純に危険だというだけでその後、逆方向へ動くとは限らないということをしっかりと 意識しなければいけません。

CMOだけで判断するのではなく、他の指標やトレンドラインと合わせて分析することをオススメします。

CMOの値が下がり始めて、かつトレンドラインを下方ブレイクしたから売りのような使い方です。


■ ダイバージェンス

RSIのようにCMOでもダイバージェンスによる売買が可能です。

ダイバージェンスとは、例えば価格は上昇していにも関わらずテクニカル指標では値が落ち始めている現象です。

こちらをご覧ください。

ダイバージェンス

価格チャートの山は切り上がっているにも関わらず、 CMOの山は切り下がっていますよね?

価格を押し上げるパワーが徐々に弱くなっていることを示唆しており、 パワーが弱い、すなわち反転する可能性があるということです。

山を2回切り下げた後に下落しています。

これは経験上の話になります。

切り下げが1回だと、持ち直してその後上昇する場合もありますが、 2回切り下げた後の価格の反転率は高く、信頼できるシグナルとなります。

トレンドに逆らった逆張りは基本的に危険なので、2回出現したら逆張りというルールを作って売買すると良いかもしれません。

オシレーター系指標は〇〇%以上で逆張りするといった使い方をしている方が多いと思います。

それは間違ってはいませんが、逆張りというのは危険で難しい手法です。

レンジ相場での逆張りは、トレード回数も増やせますしうまくいけば利益をバンバンのせる事も可能です。

しかし、そのような相場では乱高下する事も珍しくなく、シビアなエントリータイミングが求められるものです。

まずは・・・

「片方に張り付いているからトレンド継続中なのか?」

「オシレーター系指標の値が下がってきたからトレンド転換なのか?」

といったように トレンドを掴むような方法がベストではないでしょうか。

テクニカル指標の計算式を覚えた、使い方を覚えたというだけでは勝つことはほぼ不可能ですが、 基本的なことは必ず覚えておく必要があります。

覚えた上でその後、どのように解釈していくかが重要なのです。